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(商業登記)設立時の出資金の払込時期について

(商業登記)設立時の出資金の払込時期について
自宅敷地内で今年も現れた結構大きなカエル

今日は夏至。1年で最も日の長い日。梅雨の中休みといったところで、ムシムシしていますね。そんな梅雨時期に毎年出会うのが、新宿のど真ん中なのに、どこで育っているのか不思議な カエル🐸 触ることはできませんが、なんとなく可愛く見えてしまいます。道路で車に轢かれないことを願っています。

さて、今回は会社設立の際の出資金の払込みについてのお話です。

株式会社や合同会社を設立する際には、発起人・設立時社員に資本金相当の出資をして頂き、その出資がなされたことを証する書面を添付して登記申請をします。この出資については、会社法上は、株式会社の発起人は定款または発起人の出資内容の決定後、合同会社の設立時社員は定款作成後登記申請をする時までに行う必要がある、と規定されています。

これまで実際の登記実務上は、定款の作成日又は発起人全員の出資内容に関する同意があった日以降であれば、公証人の認証を待たずして出資の履行がなされた払込みがあったことを証する書面(発起人等の名義の銀行口座の通帳の写し等)を添付して、設立登記が受理されています。

この点で、今回新たな通達が発信され、定款の作成日等以降という制限は廃止され、それより前に払込がなされた場合でも、設立登記が受理される、とされました。

ただし、前とは言っても、あまりにかけ離れて昔の払込みがすべて認められるとは考えにくく、令和4年6月5日に閣議決定されている規制改革実施計画上の資料においては、「設立登記申請の4週間前など近接した時期のものであれば、出資に係る払込みがあったものと認めることとする。」とされています。ですので、登記申請前1か月間内をめどに払込がなされていれば、定款作成日前であっても会社設立のための払込みとされ、登記申請が認められるように取扱いが変わりました。

このような取り扱いが認められるようになった背景には、「会社の設立を1日でできるようにしよう!」という取り組みがあるためと言われています。定款作成後でないと払込みができない、とすると、1日での会社設立が叶わないことになってしまうためのようです。

法務省:オンラインによる定款認証及び設立登記の同時申請の取扱いを開始しました (moj.go.jp)

法務省:一人会社の設立登記申請は完全オンライン申請がおすすめです! (moj.go.jp)

弊所が関与する会社設立の場合は、予め定款をその会社にあったものとして検討する作業を行い、その上で公証人と認証前に事前の確認作業を経て、万全を期して設立登記を申請していきます。よって24時間設立登記制度は利用していないのが現状です。

会社設立時の払込みがあったことを証する書面については、このほかに、払込みをする口座は誰の者であればよいか?発起人がすべて海外在住の場合どうすればよいか?など、実務上、様々なケースで?が出てきます。法務局は一定のケースの場合の取り扱いについての運用を示していますので、ご参考にされてください。(魚本)

001220721.pdf (moj.go.jp)

Taro-00 179通達.jtdc (moj.go.jp)

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