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(不動産登記)東京と京都では登記申請方法が違う?

(不動産登記)東京と京都では登記申請方法が違う?
不動産取引の場所近くからの大阪の街の眺め

7月の間にブログが更新できず、あっという間に真夏の8月になってしまいました。こんにちは。魚本です。

先月末、京都の不動産の取引に伴う登記手続きのために、大阪へ行ってきました。新大阪駅で新幹線を降り、改札へ向かうエスカレーターで、「あ、そうか、ここは大阪だ!」と・・・。エスカレーターに乗る人の列は、皆、右側に寄り、左側が空いています。東京は、その逆。2時間半ほどの移動で、習慣が違うって、本当に不思議ですね。中間の名古屋はどちらなのでしょうか???

私達司法書士が皆様の代理人として申請する「不動産登記」にも、このエスカレーターのような違いがあります。

「京都式」などとも言われますが、まさに、今回その東京とは違う登記申請方法を実体験しました。

不動産の売買で所有者が売主として買主への名義書き換えの登記手続きをする際に、東京では、通常、買主又は売主が指定する司法書士一人が、売主と買主の代理人として登記申請をします。

京都式は、売主を代理する司法書士と、買主を代理する司法書士の二人が、共同して登記申請を行うのです。登記申請書に添付が必要な「登記原因証明情報」や「委任状」等の書類は、全て売主代理人司法書士が作成し、買主代理司法書士へ渡し、買主からの調印等の準備をします。それぞれの代理人が、その本人が用意すべき書類の確認と本人確認をする義務を履行します。最終的な決済の場面では、それぞれが必要書類を持ち寄り、申請書には2名の司法書士が記名押印をし、申請書類一式を組み上げ、法務局に申請をします。

東京では、一人の司法書士が申請することがほとんどなので、オンラインで登記申請をしていますが、この京都式の場合、オンライン申請ではなく、「紙」に押印をして、法務局の窓口に申請書類一式を提出しているようです。(オンライン申請ができないわけではありません。)

今回、私は売主の代理人司法書士として関わりましたので、ご依頼主から頂く司法書士報酬について、京都や大阪の司法書士の方々のホームページ等を参考にするために拝見しました。買主の代理人をした場合に比べて、少額のようです。必要書類の作成は売主(登記義務者)の代理人司法書士が行うことからすると、不思議で違和感がありました。買主代理人の司法書士の方(大阪の司法書士の方)からは、「面倒をお掛けしてすみませんね・・・。」と言われました。(笑)

売主と買主という、立場の異なる者が代理人を立てる、という点から考えれば、それぞれが別の代理人を選任する、ということは確かに自然なことではありますが、登記手続きの合理性や一人の司法書士が全体を把握できる安全性というメリットも登記ならでは認められる双方代理にはあるのではないかと、感じた経験でした。

売主に、売却の前提として必要な住所氏名の変更や担保抹消の登記が必要な場合はその登記の費用が掛かりますが、それらがない場合は、通常は売主に登記費用は掛からないのが東京での手続きですが、この京都式の場合は、「売主側」に登記手続き費用がかかります。

言葉や生活習慣と同じように、登記にも地域差があるお話でした!

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