司法書士 魚本晶子 事務所_

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(離婚・自立)17年後の金メダル!

(離婚・自立)17年後の金メダル!
(愛猫が虹の橋を渡りました。19年間素敵な思い出をたくさんありがとう。。。)

GWまであと少し。ハンミヅキやサツキが色鮮やかに街を彩ってくれて、心が自然とウキウキしてきますね。こんにちは、魚本です。

今回は登記から少し離れたお話です。

17年前に、離婚のご相談を受けて、弁護士の方を紹介し、離婚をできるだけ円満に進め、二人の子供の親権を持ち、新たな生活を始めるためのお手伝いをした女性がいました。先日、その方と会うことがあり、「子供二人とも、自立して、家を出て新しい生活を始めました」と涙ながらに報告してくれました。「本当によく頑張ったね!金メダルあげる!!!」と私ももらい泣きしました。

まだ子供が小学生で、当時は主婦だった彼女にとって、離婚をすることそのものが、とても大きな決断でしたし、その超えなければならない壁は厚く高かったと思います。弁護士の方の親身な支援もあり、調停を無事終え、離婚成立。ただし、離婚は成立しても、相手の配偶者には十分な資力がありませんでしたから、芸能人の離婚のような慰謝料や財産分与などありません。子供の養育費も、(今は当時より、離婚における養育費の制度が改善されています)本当に支払ってもらえるかわからず、ただただ不安なばかりです。

彼女は、結婚前は保母さんのお仕事をしていました。この資格と経験を活かして、子供二人を育てないとね!と私にできるのはただの後方支援でしたが、戻った実家から働けそうな求人のある保育園の情報を提供したりと、できるだけの応援をしました。

子供の高校受験があるときなど時折状況をお知らせ頂いておりましたが、先日のお話では、やはり大学進学をした教育費は母親1人での負担はとても大きかったようです。

ですから、なおさらご長男がきちんとした企業へ就職が決まり、地方勤務地へ送り出した後の彼女の安堵感は人一倍だったのではないかと思います。一方で、今までいた子供二人が一度に独立して、家に人が少なくなり、寂しさも感じているようでした。

離婚の相談は、様々な形でお受けすることがあります。配偶者のDVや多重債務に悩みながら、離婚の決断ができずにいらっしゃる方や、お二人の間で十分に協議をされ、不動産の財産分与の手続のみでいらっしゃる方などなど・・・。私の場合は、東京司法書士会の調停センター「すてっき」で調停にも関わっており、離婚調停も携わっています。それぞれのご夫婦により抱えている問題は様々です。お二人のこれからの人生を、どのようにしていけば、今日より明日が平穏で、豊かで、ハッピーになるか、とにかく一生懸命一緒に考えて、司法書士として関わって参ります。

私個人として感じることは、やはり特に主婦である女性の方の離婚の決断はとても勇気のいることということです。一番は「経済的自立ができるか?」の不安です。小さなお子様がいらっしゃればなおさらです。ご自身の老後についてもそうです。子供を妊娠して出産して授乳するのは、女性にしかできません。その間はなかなか十分な収入を得るための仕事をすることができないのは、誰にでもご理解いただけるでしょう。女性として、子育てや家庭と仕事を両立することはとても大変なことです。結婚するときは、まさか離婚することなんて誰も想像しません。でも、思いもよらず、離婚をすることになった場合には、この経済的自立がその決断をできるかどうか、大きく影響しています。今このブログをお読みのご結婚前の若い女性の方がいらしたら、ちょっとだけこんなこと言っている女性がいるな、とお読みいただければと思います。

結婚という形のために、ご自身の人生の色を暗くしてしまうのであれば、勇気を出して一歩を踏み出してもよいのではないかと思います。その一歩の重さは人それぞれ違います。もし、その後ろから支える力や声が必要な方がいらしたら、力になりたい、とそう思っています。頑張る方は、一生懸命応援します!!!

幸せな結婚生活を送っていらっしゃるご夫妻には、余分なお話でしたね・・・(魚本)

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